研究全体像と研究風景

全体像

当研究室では、ナノ微細加工技術とバイオセンシング技術を融合させ、超高感度・迅速・多検体同時検出が可能なシリコンナノワイヤ(SiNW)バイオセンサの開発を進めています。 また、ナノ微細構造の形成やトライボエレクトリックナノジェネレータ(TENG)や電気化学バイオセンサ技術の応用にも取り組み、次世代の医療診断デバイスやエネルギーデバイスの創製を目指しています。
保有技術

研究風景

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超高感度Siナノワイヤバイオセンサの研究

微量物質の検出技術は、医療やバイオ分野をはじめとする多様な分野で不可欠であり、特に化学物質や生体分子を簡便かつ高感度に検出する手法が求められています。 近年、その実現に向けて、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor: FET)の原理を応用したバイオセンサの研究開発が世界的に活発化しています。 FETバイオセンサの検出感度は、検出チャネルの構造および電界効果移動度に大きく依存します。 我々の研究グループでは、半導体プロセスによって形状や電気特性を精密に制御可能なSi材料に着目し、SiNWバイオセンサの研究を進めています。 SiNWの微細化と構造最適化により、サブ10 aM(1 aM = 10^-18 mol/L)という超低濃度検出に成功しています。

関連論文:

10 nm以下のナノ微細構造の形成

ドット径10 nm以下のドットパターンを形成するため、電子線描画法によるガイドパターンとブロック共重合体による自己組織化を組み合わせたナノドットパターン形成法を研究しています。 通常の自己組織化法では基板上にドットがランダムに形成されるが、精密に設計されたガイドランインパターンを用いて基板表面の領域を制限することで、世界最高水準となる直径5 nm、 ドット間隔10 nm×7.5 nmのドット列および幅10 nm以下のブロックコポリマーナノワイヤを形成しました。

関連論文:

摩擦ナノ発電デバイスの研究

近年、ウェアラブルデバイスの急速な普及に伴い、電源の小型化・軽量化・柔軟性が強く求められています。 摩擦帯電型発電デバイス(TENG)は、自律的に電力を供給できる点で注目されており、次世代電源への応用が大きく期待されています。 我々の研究グループでは、ナノ微細加工技術を活用して電極の微細化及びデバイス構造の最適化を図ることで、高出力密度を有するTENGデバイスの実現を目指しています。